財界さっぽろ連載記事第3回

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整形外科と新型コロナの世界

第3回

「整形外科と受診控え」

 病院で新型コロナウイルスに感染することをおそれて受診控えが起こりました。そのため、従来基準の厳格な遠隔診療が認められました。整形外科では薬の処方が受診せずに可能となり、症状の安定している患者さんにとっては良い方法でした。

 しかし、整形外科では画像検査や理学初見は来院が必要で、各種注射やリハビリなどができない点など、解決すべき課題が数多くあります。今回に限らず遠隔診療やセカンドオピニオンなどは将来的に有益となり得る方法であり、ITの進歩により診療が根本から変わる日も近いのかもしれません。

 コロナが怖くて受診できなかった人は数多くいましたが、その一方で自宅に余っている手袋や手づくりのマスクを病院に持ってきてくれる人もいました。病院は診療を止めないように知恵をしぼり、来院者はできる限りの協力をおこなう。非常に厳しい期間でしたが、それゆえに病院と患者の双方が医療の必要性と受診のあり方を考え直す良い機会だったと思います。受診を控えていた患者さんも薬がなくなり症状が強くなったことで来院するようになり、診察室は日常を取り戻しつつあります。

 7月に入り、感染数が再び増大していると声高く報道されています。しかし、それはPCR検査陽性者数であることは報道されていません。緊急事態宣言以前とは検査対象が異なるため、単純に比較できないこと、重症患者数が増えていないことなど、報道の偏向性には大いに問題があります。

 感染しても発症せずに済ませるためには、自己免疫の強化が必須です。そのために重要なのは運動をすること、日光にあたること、心を元気にすることです。痛みは行動を制限し気持ちを落ち込ませます。体の痛みをとるプロが整形外科医です。病院はあらゆる感染対策をとっていますので、怖がらずに受診し痛みをとり、元気で健康な心と身体で過ごしましょう。