腰椎圧迫骨折の治療
圧迫骨折だからといって、すべての患者さんに手術が必要になるわけではありません。
多くの場合は、
などを組み合わせた保存療法を行います。
治療の目的は、単に骨折部を治すことだけではありません。
痛みを抑えながら身体機能を維持・回復し、できるだけ早く日常生活へ戻ることが重要です。
コルセットによる治療
圧迫骨折の初期には、骨折した椎体を安定させる目的でコルセットを使用することがあります。
身体を起こしたり歩いたりするときに骨折部へ加わる負担を軽減し、痛みを抑えながら生活しやすくすることが目的です。
ただし、必要以上に長期間安静にすると筋力が低下する可能性があります。
特に高齢者では、活動量の低下によって歩行能力や日常生活動作が低下することがあります。
そのため、骨折の状態と痛みを確認しながら、適切な時期から活動量を増やしていくことが大切です。
痛みに対する治療
圧迫骨折の初期には、強い腰痛や背部痛を伴うことがあります。
痛みの程度や患者さんの状態に応じて、鎮痛薬などを使用します。
痛みが強すぎると身体を動かすことができず、長期間の安静につながります。
そのため、痛みを適切にコントロールしながら、可能な範囲で身体活動を維持・回復させることが重要です。
リハビリテーション
痛みや骨折の状態を確認しながら、適切な時期からリハビリテーションを行います。
特に高齢者では、安静期間が長くなることで筋力や体力が低下しやすくなります。
リハビリテーションでは、
などを目指します。
単に安静を続けるのではなく、骨折の状態を確認しながら「安全に動ける身体を取り戻すこと」が大切です。
手術が必要になることはありますか?
多くの圧迫骨折は保存療法で治療します。
しかし、
などの場合には、手術治療を検討することがあります。
治療方法は、年齢、全身状態、骨折の形、神経症状、骨粗鬆症の程度などを総合的に判断して決定します。
圧迫骨折では骨粗鬆症の治療が重要です
高齢者の圧迫骨折では、骨折そのものだけを治療して終了してはいけません。
骨が弱い状態が続いていれば、
「骨折 → 活動量低下 → 筋力低下 → 転倒 → 次の骨折」
という悪循環につながる可能性があります。
一度脆弱性骨折を起こした方は、その後の骨折リスクが高くなります。
そのため、圧迫骨折をきっかけとして骨粗鬆症を評価し、必要に応じて治療を開始・継続することが大切です。
骨密度検査
骨粗鬆症の評価では、骨密度検査を行います。
ただし、骨粗鬆症は骨密度の数字だけで判断するものではありません。
年齢、これまでの骨折歴、画像所見、その他の骨折危険因子などを含めて総合的に評価します。
圧迫骨折では、「骨折が治ったから治療終了」ではなく、「次の骨折を防ぐところまで治療する」という考え方が重要です。
腰椎圧迫骨折を予防するために
圧迫骨折の予防では、「骨を強くすること」と「転倒を防ぐこと」の両方が重要です。
日常生活では、
- などを意識した食生活を心がける
ことが大切です。
特に一度圧迫骨折を経験した方では、再骨折予防を意識した継続的な管理が重要です。
当院の診断
ごうだ整形外科では、圧迫骨折が疑われる患者さんに対して、画像だけを見るのではなく、「本当に今回の痛みの原因が圧迫骨折なのか」を考えながら診断します。
高齢者では、過去の圧迫骨折、変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症など、複数の異常が画像上に存在することも珍しくありません。
そのため、「画像に異常がある」という理由だけで痛みの原因を決めるのではなく、問診、身体診察、神経学的所見、画像検査を組み合わせて判断します。
必要に応じてMRIなどを行い、
を評価します。
当院の治療
ごうだ整形外科では、骨折の状態、痛みの程度、年齢、生活状況などを考慮して治療方針を決定します。
圧迫骨折では、痛みのために動けなくなることがあります。
一方、高齢者では長期間の安静によって筋力や体力が低下することも大きな問題です。
そのため、必要な安静を確保しながら痛みをコントロールし、骨折の状態に応じて身体活動を回復させていくことを目指します。
また、骨粗鬆症が背景にある場合には、骨折部だけではなく骨粗鬆症そのものへの治療も検討します。
当院の診療方針
圧迫骨折で大切なのは、「今の骨折を治療すること」と「次の骨折を防ぐこと」の両方です。
痛みが改善したとしても、骨粗鬆症が残っていれば再び骨折する可能性があります。
ごうだ整形外科では、圧迫骨折を単独の病気として考えるのではなく、
「診断 → 疼痛管理 → 身体機能の回復 → 骨粗鬆症評価 → 再骨折予防」
までを一連の治療として考えます。
患者さんができるだけ早く元の生活へ戻り、その後も安心して生活を続けられることを目標に治療を行います。
よくある質問(FAQ)
Q1. 転んでいなくても圧迫骨折になることはありますか?
はい。
骨粗鬆症によって骨が弱くなっている場合には、明らかな転倒がなくても圧迫骨折を起こすことがあります。
重い物を持つ、身体をひねる、くしゃみをするなど、日常生活の動作をきっかけに発症することもあります。
Q2. レントゲンで異常がなければ圧迫骨折ではありませんか?
必ずしもそうではありません。
発症直後では椎体の変形が目立たず、レントゲンだけでは診断が難しい場合があります。
症状から圧迫骨折が疑われる場合には、MRIなどの追加検査を検討します。
Q3. 圧迫骨折は自然に治りますか?
多くの圧迫骨折は保存療法によって改善していきます。
ただし、骨折の状態や骨粗鬆症の程度によって経過は異なります。
痛みが続く場合や神経症状がある場合には、詳しい評価が必要です。
Q4. 圧迫骨折ではずっと安静にした方がよいですか?
必要以上の長期間の安静はおすすめできません。
特に高齢者では筋力や体力が低下し、歩行能力の低下や転倒リスクの増加につながることがあります。
骨折の状態と痛みを確認しながら、適切な時期から身体活動を回復させることが重要です。
Q5. 一度圧迫骨折すると、また骨折しますか?
再骨折のリスクは高くなります。
特に骨粗鬆症が背景にある場合には、別の椎体や大腿骨近位部などに新しい骨折を起こす可能性があります。
そのため、骨折の治療と同時に骨粗鬆症の評価・治療を行うことが重要です。
Q6. 背中が丸くなってきたのは年齢のせいですか?
年齢だけが原因とは限りません。
過去に起こした圧迫骨折によって椎体が変形し、背中が丸くなっている場合があります。
身長が以前より低くなった、背中が丸くなった、腰や背中の痛みが続く場合には、一度整形外科での評価をおすすめします。
監修者
合田 猛俊
医療法人社団GOZEN 理事長
整形外科専門医・医学博士
疼痛管理、神経ブロック、手の外科、骨軟部腫瘍を専門とする。
佐々木 拓郎
北7条ごうだ整形外科 総合院長
整形外科専門医・医学博士・スポーツドクター等
下肢、特に膝・股関節を中心に診療。リウマチ、スポーツ医学、産業医学にも対応。
清藤 直樹
岩見沢ごうだ整形外科 院長
整形外科専門医・医学博士
下肢、特に膝関節を中心に診療。
記事情報
記事番号:L-008
記事タイトル:腰椎圧迫骨折とは?
カテゴリー:腰痛・脊椎疾患
対象疾患:腰椎圧迫骨折・椎体骨折・骨粗鬆症
監修:合田猛俊・佐々木拓郎・清藤直樹
