L-005 腰椎すべり症とは?
~骨のずれだけではなく、神経への圧迫が症状を引き起こします~
監修 合田猛俊 佐々木拓郎 清藤直樹
結論
腰椎すべり症とは、腰の骨(腰椎)が前方へずれる病気です。
しかし、多くの患者さんを悩ませているのは、「骨がずれていること」そのものではありません。
腰椎がずれることで神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されることによって、足の痛みやしびれ、歩きにくさなどの症状が現れます。
ごうだ整形外科では、画像だけを見て診断するのではなく、患者さんの症状や診察所見を大切にしながら診療を行っています。
この記事でわかること
はじめに
「腰椎すべり症と言われましたが、手術が必要でしょうか?」
「骨がずれていると言われましたが、このまま様子を見ても大丈夫でしょうか?」
外来では、このようなご相談を受けることが少なくありません。
腰椎すべり症という病名を聞くと、「骨がずれているのだから、早く治さなければならない」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、実際には骨のずれの大きさと症状の強さが必ずしも一致するわけではありません。
また、ごうだ整形外科では、症状だけを見て「腰椎すべり症」と診断することもありません。
まず患者さんの症状から神経の圧迫が起きているかを考え、その原因をレントゲンやMRIで確認し、最適な治療方法をご提案しています。
この記事では、腰椎すべり症について、ごうだ整形外科で実際に行っている診療の流れに沿って分かりやすく解説します。
腰椎すべり症とは
腰椎すべり症とは、腰椎が正常な位置から前方へずれる病気です。
腰椎がずれると、その後方にある神経の通り道である脊柱管にも変形が生じます。
その結果、神経が圧迫され、
などの症状が現れます。
つまり、患者さんが困っている原因は「骨がずれていること」ではなく、神経が圧迫されていることなのです。
腰椎すべり症には2つの種類があります
① 変性すべり症
変性すべり症は、中高年に多くみられる腰椎すべり症です。
椎間板や椎間関節が長年の負担によって変性し、腰椎の配列が徐々に乱れることで発症します。
椎体が前方へずれるだけではなく、脊柱管にもずれが生じます。
さらに、変性した椎間関節が肥厚することで神経が圧迫され、腰部脊柱管狭窄症を引き起こします。
例えば、第4腰椎(L4)の変性すべり症では、L4/5で神経の通り道が狭くなり、第5腰神経根(L5神経根)の症状が現れることがあります。
② 分離すべり症
分離すべり症は、若い頃のスポーツなどによる疲労骨折(腰椎分離症)が原因となり、その部分から腰椎が前方へずれる病気です。
変性すべり症とは原因が異なりますが、神経が圧迫されることで症状が現れる点は共通しています。
また、分離すべり症では分離部で神経が圧迫されるため、治療方法や手術方法も変性すべり症とは異なります。
ごうだ整形外科の診療ポイント①
症状だけで「腰椎すべり症」と診断することはありません
腰椎すべり症の患者さんは、
など、腰部脊柱管狭窄症とほぼ同じ症状で受診されます。
そのため、ごうだ整形外科では、問診だけで「腰椎すべり症ですね」と判断することはありません。
まず、
「腰部脊柱管狭窄症があるのではないか」
という臨床診断を行い、その原因を調べていきます。
レントゲン検査で腰椎のずれを確認し、必要に応じてMRIで神経の圧迫を評価します。
つまり、
症状から腰椎すべり症を診断するのではなく、脊柱管狭窄症の原因として腰椎すべり症を診断するという考え方です。
ごうだ整形外科の診療ポイント②
効率的な診療フローで患者さんの負担を減らします
ごうだ整形外科では、患者さんの待ち時間や移動を少なくするため、問診内容をもとに看護師が必要なレントゲン撮影をご案内します。
例えば、
など、症状に応じた検査を先に行います。
その後、
- 検査
という流れで原因を詳しく調べます。
このように、診察室とレントゲン室を何度も往復することなく、効率よく診療を進められるよう工夫しています。
▶ 第1部終了
第2部では、
について詳しく解説します。
