L-006 腰椎分離症とは?
第3部 手術・予防・保護者の皆さまへ
手術が必要になることはありますか?
腰椎疲労骨折だけを理由に手術が必要となることは、現在ではほとんどありません。
以前は、若いスポーツ選手に対して骨折部を癒合させる目的で手術が行われることもありました。しかし、ごうだ整形外科では、成長期のお子さんに対して、痛みだけを理由に積極的に手術を勧めることはありません。
腰椎疲労骨折では、痛みはあっても神経が圧迫されていることはほとんどなく、適切な保存療法で改善するケースが多いためです。
一方で、骨折が治癒せず腰椎分離症となり、さらに年月を経て腰椎が前方へずれる「腰椎分離すべり症」へ進行することがあります。
その結果、神経根が圧迫され、足の痛みやしびれ、筋力低下などの神経症状が現れ、保存療法を続けても改善しない場合には、成人後に手術を検討することがあります。
つまり、ごうだ整形外科では、画像だけで手術を判断するのではなく、「神経症状があるか」「日常生活にどの程度支障があるか」を重視して治療方針を決定しています。
腰椎疲労骨折を予防するためにできること
腰椎疲労骨折は、腰に繰り返し負担がかかることで起こるスポーツ障害です。
完全に防ぐことは難しい病気ですが、日頃から腰への負担を減らすことは予防につながります。
十分なウォーミングアップやクールダウンを行い、体幹の筋力や股関節の柔軟性を維持することは大切です。
また、疲労が蓄積した状態で無理に練習を続けたり、腰の痛みを我慢してプレーを続けたりすることは避けましょう。
「少し痛いだけだから大丈夫」と考えず、腰の痛みが続く場合には早めに整形外科を受診することが重要です。
保護者の皆さまへ
成長期のお子さんの腰痛では、「少し休めば治るだろう」と様子を見る方も少なくありません。
一方で、指導者や周囲の期待から、「痛くても頑張りなさい」と無理をしてしまうケースもあります。
しかし、痛みは本人にしか分からない大切なサインです。
痛みを我慢して練習を続けることで、症状が長引いたり、競技生活に影響したりすることもあります。
もちろん、試合や大会、チーム事情など、簡単には休めない状況があることも私たちは理解しています。
だからこそ、ごうだ整形外科では「一律に長期間スポーツを禁止する」のではなく、お子さん一人ひとりの症状や競技環境を考慮しながら、安全に競技へ復帰できる方法を一緒に考えています。
また、レントゲン検査で異常が見つからないからといって安心できるとは限りません。
腰椎疲労骨折は、初期にはレントゲンでは確認できないことがあります。
痛みが続く場合にはMRIによる詳しい検査が必要になることもありますので、腰痛が改善しない場合には早めの受診をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 腰椎分離症は自然に治りますか?
成長期の疲労骨折であれば骨癒合する可能性がありますが、すでに腰椎分離症となった場合は自然に骨がつくことは多くありません。ただし、分離症があっても痛みなく生活やスポーツを続けられる方は数多くいらっしゃいます。
Q. 腰椎分離症があると一生スポーツはできませんか?
いいえ。多くの方は適切な治療とリハビリによってスポーツへ復帰できます。症状や競技内容に応じて無理のない復帰計画を立てることが大切です。
Q. コルセットは必ず必要ですか?
ごうだ整形外科では、痛みの軽減と骨折部の保護を目的として、初期治療ではコルセットの装着をおすすめしています。装着期間は症状の改善に合わせて調整します。
Q. レントゲンで異常がなければ安心ですか?
必ずしも安心とはいえません。初期の腰椎疲労骨折はレントゲンでは分からないことがあり、症状が続く場合にはMRIによる精密検査が必要になることがあります。
Q. 手術が必要になることはありますか?
腰椎疲労骨折だけで手術が必要になることはほとんどありません。成人後に腰椎分離すべり症となり、神経症状が強く保存療法で改善しない場合には手術を検討することがあります。
監修者
合田 猛俊
医療法人社団GOZEN 理事長。整形外科専門医・医学博士。ペインクリニックを専門とし、神経ブロック治療や脊椎疾患の診療を数多く行っています。画像だけでは判断せず、診察所見と症状を重視した診療を心掛け、一人ひとりに合わせた治療を提案しています。
佐々木 拓郎
北7条ごうだ整形外科院長。整形外科専門医。膝関節・股関節疾患、スポーツ整形外科を専門とし、保存療法から手術後のリハビリまで幅広く診療しています。
清藤 直樹
岩見沢ごうだ整形外科院長。整形外科専門医。スポーツ整形外科を専門とし、成長期のスポーツ障害から一般整形外科まで幅広く診療しています。
