L-006 腰椎分離症とは?
~成長期のスポーツ選手に多い「疲労骨折」と「腰椎分離症」の違いを知りましょう~
監修
- 猛俊
- 拓郎
- 直樹
結論
腰椎分離症は、成長期に起こった腰椎の疲労骨折が治らず、骨がつかないまま偽関節となった状態をいいます。
一方、骨折したばかりの状態は「腰椎疲労骨折」であり、腰椎分離症とは区別して考える必要があります。
ごうだ整形外科では、この違いを大切にしながら診療を行っています。また、腰椎分離症が見つかったからといって、現在の腰痛の原因が必ずしも分離症とは限りません。患者さんの症状や診察所見、画像検査を総合的に評価し、本当の原因を見極めたうえで治療方針を決定しています。
この記事でわかること
腰椎疲労骨折と腰椎分離症の違い
腰椎分離症ではどのような症状が現れるのか
ごうだ整形外科で行っている診断方法
MRIが重要となる理由
腰椎分離症と分離すべり症の違い
はじめに
スポーツを頑張っている中学生や高校生が、「運動をすると腰が痛い」と訴えて受診されることがあります。
このような場合、ごうだ整形外科でまず考える病気の一つが腰椎疲労骨折です。
しかし、患者さんや保護者の方は、「腰椎分離症」と「疲労骨折」を同じ病気と思っていることが少なくありません。
実際には、この二つは同じではありません。
骨折したばかりで骨癒合を目指せる時期を腰椎疲労骨折といい、その骨折が治らず骨がつかないまま偽関節となった状態が腰椎分離症です。
この記事では、この違いを分かりやすく説明するとともに、ごうだ整形外科で実際に行っている診療の考え方について解説します。
腰椎分離症とは
腰椎分離症とは、腰椎の後方にある関節突起間部に生じた疲労骨折が治癒せず、骨がつかないまま偽関節となった状態です。
最も多いのは第5腰椎、次いで第4腰椎に発生します。
成長期には骨がまだ十分に成熟していないため、スポーツで腰を繰り返し反らしたり、ひねったりする動作が続くと、この部分に大きな負担が集中します。
その結果、小さな骨折が起こり、これが腰椎疲労骨折です。
適切な時期に治癒すれば問題ありませんが、骨が癒合しないまま時間が経過すると、腰椎分離症となります。
どのようなスポーツに多いのでしょうか?
腰椎疲労骨折は、腰を繰り返し反らしたり、ひねったりする動作が多いスポーツで発生しやすいと考えられています。
ごうだ整形外科でも、サッカー、バレーボール、バスケットボール、テニスなどの選手で診断することが多くあります。
一方、陸上競技や野球では比較的少ない印象があります。
これは競技によって腰椎へ加わる力や体の使い方が異なるためと考えられます。
体操競技も腰への負担が大きいスポーツですが、競技人口が少ないため、実際に診察する機会はそれほど多くありません。
ごうだ整形外科の診療ポイント①
腰椎分離症と診断されても、それが腰痛の原因とは限りません
腰痛の検査でレントゲンを撮影した際に、偶然腰椎分離症が見つかることがあります。
しかし、ごうだ整形外科では、腰椎分離症があるという事実だけで「これが腰痛の原因です」と判断することはありません。
実際には、腰椎分離症があっても全く痛みのない方は少なくありません。
一方で、分離した部分に通常とは異なる動きが生じると、その不安定性によって腰痛の原因になることがあります。
さらに注意が必要なのは、分離部にできた瘢痕組織です。
この瘢痕組織が神経根を圧迫すると、腰痛だけではなく足の痛みやしびれなどの神経症状が現れることがあります。
また、分離症が進行して腰椎が前方へずれる「分離すべり症」になると、神経の圧迫がさらに強くなり、保存療法だけでは改善しないこともあります。
つまり、ごうだ整形外科では、「分離症があるかどうか」ではなく、「現在の症状の原因が何なのか」を最も重要視して診療を行っています。
ごうだ整形外科の診療ポイント②
成長期の腰痛では、まず腰椎疲労骨折を疑います
成長期のスポーツ選手が腰痛を訴えた場合、ごうだ整形外科ではまず腰椎疲労骨折の可能性を考えます。
診察では、どのようなスポーツをしているか、どの程度練習しているかを詳しく確認します。
そのうえで、腰を押したときに限局した圧痛があるか、骨を軽くたたいたときに痛みが出るかを確認します。
また、椎間板ヘルニアなどの神経疾患ではないことを確認するため、神経学的診察も丁寧に行います。
腰椎疲労骨折では、腰を反らしたときやスポーツ中に強い痛みが出ることが多い一方、骨折だけで神経が圧迫されることはほとんどないため、足のしびれや足へ広がる痛みなどの神経症状は通常みられません。
▶ 第1部終了
第2部では、MRIによる診断、ごうだ整形外科の治療方針、運動制限の考え方について詳しく解説します。
