001 腰痛とは?|原因・症状・治療法を整形外科専門医がわかりやすく解説
監修:合田猛俊 佐々木拓郎 清藤直樹
結論
腰痛は、日本人の多くが一生のうちに一度は経験するといわれる非常に身近な症状です。
しかし、一言で「腰痛」といっても原因はさまざまで、筋肉や靱帯の疲労によるものから、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨折、さらには内臓の病気が原因となる場合まであります。
腰痛を改善するためには、痛み止めだけに頼るのではなく、原因を正しく診断し、一人ひとりに合った治療を選択することが重要です。
ごうだ整形外科では、レントゲン検査やMRI検査を行い、原因を詳しく調べたうえで、リハビリテーション、運動療法、神経ブロック治療、再生医療などから適した治療をご提案しています。
腰痛とは?
腰痛とは、腰の周囲に痛みや重だるさ、不快感を感じる状態の総称です。
腰そのものが痛む場合だけでなく、お尻や太もも、足に痛みやしびれが広がることもあります。
また、腰痛には数日で改善するものもあれば、数か月以上続く慢性腰痛もあります。
表1 腰痛の分類
| 種類 | 特徴 |
| 急性腰痛 | 発症から4週間未満。ぎっくり腰などが代表的です。 |
| 亜急性腰痛 | 4~12週間続く腰痛です。 |
| 慢性腰痛 | 3か月以上続く腰痛です。 |
腰痛はどれくらい多いの?
腰痛は日本でも非常に多い症状です。
多くの方が一生のうちに一度は腰痛を経験するとされており、整形外科を受診する理由としても代表的な症状の一つです。
デスクワークや長時間の運転、立ち仕事、高齢化などにより、腰痛で悩む方は年々増えています。
表2 腰痛が起こりやすい人
| 該当する方 | 理由 |
| デスクワーク | 長時間同じ姿勢になるため |
| 重い物を持つ仕事 | 腰への負担が大きいため |
| 高齢者 | 加齢による変化が起こるため |
| 運動不足の方 | 腰を支える筋力が低下しやすいため |
| 肥満の方 | 腰への負担が増えるため |
腰痛の主な原因
腰痛の原因は一つではありません。
筋肉や靱帯の疲労だけでなく、椎間板や神経、関節、骨など、さまざまな部位が原因になります。
表3 腰痛の原因
| 原因 | 主な病気 |
| 筋肉 | 筋・筋膜性腰痛 |
| 椎間板 | 腰椎椎間板ヘルニア |
| 神経 | 坐骨神経痛 |
| 骨 | 圧迫骨折 |
| 関節 | 変形性腰椎症 |
| 脊柱管 | 腰部脊柱管狭窄症 |
| 椎体のずれ | 腰椎すべり症 |
| スポーツ障害 | 腰椎分離症 |
腰痛にはどんな症状がある?
腰痛は単なる「腰の痛み」だけではありません。
原因によって現れる症状は異なります。
表4 腰痛でよくみられる症状
| 症状 | 考えられる原因 |
| 腰が痛い | 筋肉・椎間板・関節 |
| 足がしびれる | 神経の圧迫 |
| お尻が痛い | 坐骨神経痛 |
| 長く歩けない | 腰部脊柱管狭窄症 |
| 前かがみになると楽 | 脊柱管狭窄症 |
| 咳やくしゃみで痛む | 椎間板ヘルニア |
放置すると危険な腰痛とは?
多くの腰痛は保存療法で改善します。
しかし、次のような症状がある場合は、早めに整形外科を受診することが大切です。
表5 早めの受診をおすすめする症状
| 症状 | 理由 |
| 足の力が入りにくい | 神経障害の可能性 |
| 排尿・排便の異常 | 緊急治療が必要な場合がある |
| 強いしびれ | 神経の圧迫が疑われる |
| 発熱を伴う腰痛 | 感染症などの可能性 |
| 転倒後の腰痛 | 骨折の可能性 |
| 夜間も強い痛みが続く | 詳しい検査が必要な場合がある |
腰痛の原因を調べる検査
腰痛の治療では、まず原因を正確に調べることが重要です。
痛みの部位や症状を詳しく診察したうえで、必要に応じて画像検査を行います。
表6 主な検査
| 検査 | わかること |
| 診察 | 痛みの場所・神経症状 |
| レントゲン検査 | 骨の変形や骨折 |
| MRI検査 | 椎間板・神経・脊柱管の状態 |
| 骨密度検査 | 骨粗しょう症の評価 |
(第2部へ続く)
