階段で膝が痛いのはなぜ?原因と治療法を整形外科医がわかりやすく解説
監修:合田猛俊 医師 医療法人社団GOZEN ごうだ整形外科
結論
階段で膝が痛くなる原因として多いのは、
です。
特に階段を下りる時の痛みは、膝関節への負担が大きく関係しています。
痛みが続く場合は、膝の変形や半月板の損傷が隠れていることもあるため、早めの受診をおすすめします。
なぜ階段で膝が痛くなるの?
平らな道を歩く時と比べて、階段では膝への負担が大きくなります。
特に階段を下りる動作では、自分の体重を支えながら膝を曲げるため、関節や半月板に強い力がかかります。
表1 動作ごとの膝への負担
| 動作 | 膝への負担 |
| 椅子に座る | ★ |
| 平地を歩く | ★★ |
| 坂道を歩く | ★★★ |
| 階段を上る | ★★★★ |
| 階段を下りる | ★★★★★ |
※階段を下りる動作は膝への負担が最も大きいとされています。
原因① 変形性膝関節症
中高年の膝痛で最も多い病気です。
軟骨がすり減ることで炎症が起こり、痛みが発生します。
このような症状が特徴です
- 脚になってきた
特に50歳以上の女性に多くみられます。
原因② 半月板損傷
半月板は膝のクッションの役割をしています。
スポーツによるケガだけでなく、加齢によっても傷つくことがあります。
このような症状が特徴です
MRI検査で診断されることが多い病気です。
原因③ 膝蓋大腿関節症
膝のお皿(膝蓋骨)の周囲に炎症が起こる病気です。
特に
で痛みが強くなることがあります。
原因④ 筋力低下
太ももの筋肉は膝を支える重要な役割を持っています。
運動不足や加齢によって筋力が低下すると、膝への負担が増加します。
特にデスクワーク中心の方や運動習慣が少ない方に多くみられます。
原因⑤ 体重増加
実は体重増加は膝痛の大きな原因のひとつです。
膝には歩行時に体重の約3〜5倍の負荷がかかるとされています。
表2 体重と膝への負担
| 体重 | 階段昇降時の膝への負担 |
| 60kg | 約240〜360kg |
| 70kg | 約280〜420kg |
| 80kg | 約320〜480kg |
| 90kg | 約360〜540kg |
体重が増えるほど膝への負担は大きくなります。
痛む場所から原因を推測する
膝のどこが痛むかによって考えられる病気が異なります。
表3 痛む場所から考えられる病気
| 痛む場所 | 考えられる病気 |
| 膝の内側 | 変形性膝関節症、内側半月板損傷 |
| 膝の外側 | 外側半月板損傷 |
| 膝のお皿周辺 | 膝蓋大腿関節症 |
| 膝の裏側 | ベーカー嚢腫 |
| 膝全体 | 関節炎、関節リウマチ |
ご自身でチェックしてみましょう
表4 膝痛セルフチェック
| 症状 | チェック |
| 階段を下りる時に痛い | □ |
| 正座ができない | □ |
| 歩き始めが痛い | □ |
| 膝が腫れることがある | □ |
| 膝に水がたまったことがある | □ |
| 最近体重が増えた | □ |
3項目以上当てはまる場合は整形外科受診をおすすめします。
病院を受診した方が良い症状
次のような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
- か月以上続く
ごうだ整形外科で行っている膝痛治療
患者様の状態に応じて治療方法をご提案しています。
表5 ごうだ整形外科で行う主な膝痛治療
| 治療法 | 内容 |
| レントゲン検査 | 骨や関節の状態を確認 |
| MRI検査 | 半月板や靭帯を評価 |
| リハビリテーション | 筋力改善・動作改善 |
| 内服治療 | 痛みや炎症を抑える |
| 注射治療 | 関節内の炎症を抑える |
| PRP療法 | 自己血液を利用した治療 |
| PRP-FD療法 | 高濃度成長因子を利用 |
| 培養上清液治療 | 再生医療の選択肢 |
| 体重管理プログラム | 膝への負担軽減を目指す |
よくある質問(FAQ)
Q. 階段を下りる時だけ痛いのはなぜですか?
階段を下りる時は膝を曲げながら体重を支えるため、膝への負担が最も大きくなるためです。
Q. 階段を上る時だけ痛いこともありますか?
あります。
筋力低下や腱の炎症が原因の場合があります。
Q. 膝サポーターは効果がありますか?
症状によっては有効です。
適切な種類を選ぶことが重要です。
Q. MRI検査は必要ですか?
半月板損傷や靭帯損傷が疑われる場合に有用です。
Q. 体重を減らすと膝痛は改善しますか?
多くの患者様で改善が期待できます。
体重管理は膝痛治療の重要な要素のひとつです。
まとめ
階段で膝が痛い原因として、
などが考えられます。
特に階段を下りる時の痛みは、膝関節への負担が大きく関係しています。
膝の痛みを放置すると症状が進行する場合もあります。
気になる症状がある場合は、早めに整形外科へご相談ください。
監修者プロフィール
合田猛俊 医師
医療法人社団GOZEN 理事長 整形外科専門医 医学博士
整形外科診療を中心に、神経ブロック治療、再生医療、運動療法など幅広い診療を行っています。
札幌市・岩見沢市で地域医療に取り組み、患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。
